インドの美容市場、2026年までに成長加速:大手企業がアユルヴェーダ市場に参入

大手美容企業がインド市場に注目。2026年までに成長が加速するインドの美容市場を狙い、エスティ ローダー・カンパニー(ELC)がインドのアーユルヴェーダ発ブランド「Forest Essentials」の完全子会社化を発表した。ユニリーバもインドのクリーンフレグランスブランド「Secret Alchemist」に300万ドルのシード資金を投入。ロレアル・グループもインドのパーソナルケア企業Innovistへの少数株投資を検討している。インドの美容市場は、世界で7番目に大きく、2029年には270億ドルに成長すると予測されている。

アユルヴェーダの隆盛、多様化する消費者のニーズ

この動きの背景には、インドにおける若年層と中間層の増加、デジタル化の進展、そしてスマートフォン普及の拡大がある。インドのインターネット取引は世界全体の40%を占めるほどであり、2024年には10億台のスマートフォンが普及した。インドの美容市場は、中国などの成熟市場が停滞する中、急速な成長を遂げている。

消費者の嗜好の変化も大きく影響している。ウェルネス追跡や自己最適化に疲れた人々が、古来からの自然療法に関心を寄せている。特に、アユルヴェーダは、身体と精神の健康を自然な方法で実現するホリスティックなアプローチとして、世界的に注目を集めている。Forest Essentialsは、科学的根拠に基づいたアユルヴェーダ製品の開発に注力しており、インド国内だけでなく、米国、英国、中東、東南アジアなどグローバル市場への展開を加速させている。

ロレアル・グループ、インド市場への本格参入へ

ロレアル・グループ、インド市場への本格参入へ

ロレアル・グループがInnovistへの投資を完了すれば、インド市場におけるプレゼンスを拡大する。Innovistは、Bare Anatomy、Chemist at Play、Sunscoopといった人気ヘアケアブランドや、Vinci Botanicalsなどのボディケアブランドを傘下に持つ。ロレアルは、顧客への教育と科学技術への投資に力を入れており、インド市場の多様なニーズに対応できる体制を構築することを目指している。

一方、インド国内の美容市場では、DoveやLakméといったマスブランドが主導権を握っている。しかし、プレミアム市場は13%の成長を記録しており、高付加価値製品への需要が高まっている。Chāmpoは、アユルヴェーダの知識と現代的なパッケージングを組み合わせ、年間200万個以上の製品を販売している。同社は、英国のハローズやセフォラなど、海外の高級百貨店や店舗にも進出している。

インドの美容市場は、消費者の情報収集方法も特徴的だ。友人や家族からの影響力が依然として大きいが、Amazonなどのオンラインレビューも重要な情報源となっている。しかし、実店舗での購買意欲も根強く、店舗スタッフの役割は依然として大きい。

Forest EssentialsのMira Kulkarni氏は、「長期的な視点を持ってインド市場を確立することに注力してきた。その結果、信頼性の高いブランドとして認識されるようになった」と語る。ロレアルのようなグローバル企業がインド市場に参入することで、競争が激化する一方で、消費者はより多様な選択肢を得られるようになるだろう。今後は、インド市場における本土ブランドとグローバルブランドの共存、そして、科学的根拠に基づいたアユルヴェーダ製品の開発が、市場の成長を牽引すると予想される。

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